工芸品:有松絞
名古屋市の街並み保存指定第一号である有松の街。
火事に備えて土で厚く塗った壁や、瓦葺きの小屋根をもつ家々が立ち並びます。
東海道一の名産品として栄えた有松絞。絞商の豪壮な屋敷構えは、往時の繁栄を今も伝えています。
有松は東海道を旅する人の安全を図るため、鳴海宿と池鯉附の間に小休憩所を設け、尾張藩の勧めに応じて人々が移り住み、桶狭間村の分村として生まれました。
当初はこれといった仕事もなく、暮らしの立ち行かない状態でした。そこで、村人であった竹田庄九郎は、名古屋城築城のために来ていた豊後の人たちの絞りの着物に目をつけました。
そして豊後での絞りを研究し、知多の木綿を生かして、絞り染めの手拭を旅人に売り始めました。これが有松絞の始まりだといわれています。
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